疑似宇宙環境における基本的生命現象の可視化 - 公募研究

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研究課題名 疑似宇宙環境における基本的生命現象の可視化
研究代表者
沢野 朝子

本研究は、生命現象可視化 (direct visualization) 技術を開発する立場から、生命恒常性維持に重力および宇宙放射線が与える影響を理解することを目的とする。

我々はこれまで、蛍光タンパク質を駆使した蛍光イメージング技術の開発と実践に取り組み、多細胞から構成される生命システムが環境依存的に見せる挙動を観察してきた。また生命システムにおける協調的秩序が様々な疾病で破綻する様子を観察してきた。本研究ではこれまでの“地球環境”に「重力」という物理軸を加える。また、細胞周期研究と関連して、細胞の放射線に対する応答に焦点をあてる。すなわち、“宇宙環境” における微小重力および過重力、あるいは放射線が生命恒常性維持に与える影響を、様々な蛍光プローブFucci、酸化ストレスプローブ、オートファジープローブ、炎症プローブ、代謝プローブ)の併用を通して解析する。(*本研究においては、地上・1Gで行う実験については “地球環境”と表現し、1G以外の「重力」軸(地上疑似微小重力、過重力、ISS「きぼう」環境など)、または宇宙放射線環境での実験については、“宇宙環境” と表現する。)direct visualization技術を宇宙生命科学に適用することで、未来空間で地球生命体が被るであろう影響について理解を先取りすることを目指す。

a. 可変重力環境における基本的生命現象の可視化
蛍光プローブで経時的にイメージング(FACSソーティングも併用)を行うことで、その一瞬の細胞のHeterogeneityを可視化することができる。時間情報、空間情報、重力情報の視点から、宇宙環境における細胞動態の理解をすすめていく。

b. 宇宙放射線被爆擬似実験等による、細胞ダメージの可視化
上記と同じFucciや酸化ストレスプローブ発現細胞で細胞動態を可視化する。「共通言語」となる蛍光プローブにより地球環境宇宙環境放射線被爆などの環境の違いでおこる細胞増殖・分化・ダメージ応答などのパターン変化を質的、量的に議論する。

図1. 「宇宙に生きる」事象において、細胞の増殖、分化、移動などはどのような時間パターンで起こるのか?